心理学と哲学
一瞬でも苦しい感情や体感が来たならば、「やっぱり苦しいんじゃないか」と思ってしまいます。実際は、何かが起こった瞬間、それが実体験であっても意識の中でのやりとりであっても、その瞬間は一瞬で過ぎ去ります。詭弁でもなんでもありません。実際にその瞬間はすぐに去ります。すでに過去のことで、過去のことだということすら既に証拠もないようなことです。すでに記憶の中で、それが数秒前であろうが、そういった事があったということが今起こっているだけで、その記憶に縛られているような状態です。それが未来への想像であっても、「未来への想像」ということをしたという記憶が今再現されているだけです。そこで、そういう意識は度外視して、今感じている感情を「この場限り」として、次の瞬間に持ち越さないということをすれば、次の瞬間にはもう本当にどこにもありませんから、もう苦しくはありません。また、起こっても、また置いていく、それだけのことです。起こっている間は、身体も傷めつけます。それには単純に、この瞬間に意識を集中するだけで十分です。
物には時がある時を止めることはできないかもしれませんが、時間の解釈という機能を停止することはできます。極度の集中で意図的にできる人もいますが、そんなことができなくても、深く眠っている間は、時間はあったでしょうか。
瞬間瞬間に起こっては消滅しています。でも無いところから新たに生じたわけではありません。消えてもその消えたことが次の原因になります。未来永劫何かが消えるというわけではないのですが、実体はありません。実体はなくても、原因としてある種のDNAや材料を残しているようなものです。心は受け取るだけ
それ「自体」を指していると考えていても、付着した性質がついたまま捉えていることはよくあることです。例えば、愛国ということを考えてみても、自国のこ とを好きなことはかまいませんが、他国と相対的に比較して、よい所をもっと主張しようとしてしまいます。その結果他国への怨恨が生まれるような事がありま すが、恨みの気持ちは他のだれでもなく自分の心を蝕みます。それ自体